劣化ウランというもの

それではまず劣化ウランから出る放射線はいったいどれぐらいの物なのでしょうか?
放射能の強さは、その物質の半減期と関係があります。この両者は基本的に反比例の関係にあって、半減期が長いものは放射能が小さく、短い物の放射能は大きいと言う事になります。
「重いウラン」の半減期は約45億年で、とてつもなく長いので、放射能は勿論低い物になります。「軽いウラン」の半減期は約7億年で、人類の尺度ではこれも長いのですが、放射能は重いウランの6倍もあります。
さて、先に説明しましたが、劣化ウランとはどういった過程で生み出された物だったでしょう?天然ウランから、この軽いウランを抜き出した残りカスという事でしたよね。と言う事は?


至極当たり前の結論ですが、劣化ウランとは天然ウランよりも放射能は低いという事になります


そしてその放射毒性は天然ウランですら科学毒性の方が高いとされているわけですから、劣化ウランが出す放射能が人体に影響する可能性がどれぐらい低い物か分かりますよね? 具体的には劣化ウラン放射線量は天然ウランの百分の一程度です。
「でも、放射能がゼロじゃないんだから、やっぱり人体に害があるんじゃないの?」と思う人が居るかもしれません。他にも「テレビの取材で砲弾の破片なんかをガイガーカウンターで計測したら、自然界における数百倍の放射能を検知していたぞ!!」と言う人もいるでしょう。「安全なウランなどなく、(天然ウランとの)比較自体がナンセンス」と指摘する人もいると思います。
確かにゼロじゃありません、バンバン放射線も出しています。しかしこのレベルで死んでいるのなら、レントゲン写真を数回撮られた事のある人はとうの昔に全滅してるんですよ。レントゲン写真を撮る時に出される放射線は桁が違うんですよ、桁が!