放射線と放射能の違い

まず誤解がないように説明しなくてはいけませんが、放射線放射能は全く違う物を指す言葉だと理解して下さい。


ここからして混同している人がプロの記者の中にまで居るんですよ・・・・・情けない事ですが・・・・・。


直接人体に影響するのは放射線の方です。アルファ線ガンマ線X線ベータ線と言われている物がそうです。放射能と言う言葉は、放射性物質放射線を出す性質、もしくは能力の事を指す言葉なんです。放射性物質放射能、これは間違い有りませんが、放射能が怖いのは放射線を出すからであって、問題はどの様な放射線がどれぐらい出ているか?此処が肝心なのです。
放射能その物が問題有るという判断だといきなり事実を誤認してしまいます。この点を再確認して下さい。

それと此処でちょっと同位体アイソトープ)という言葉を説明します。同じ元素で、化学的性質は同じなのだけど、その原子核核子の数が異なる物を、多くの場合同位体と呼びます。まあ、単純に重さが違うと考えて貰うのが分かり安いと思います。
そして重さがちがうと、それらの放射性物質放射能)としての性質は違う物になります。無論、それ等が出す放射線の種類・エネルギー量・寿命も違ってきます。核分裂物質の場合は分裂の挙動もちがいます。
そして放射毒性よりも化学毒性が上回るのは、唯一ウランだけでだと言う事は、すでに放射化学者、放射線影響学者の間では常識となっています。「放射毒性って何?」と言う人もいるでしょうね、あまり聞き慣れない言葉ですから・・・・まあ、読んで字のごとくなんですが、その物質が出す放射線によって起こる「人体に対する好ましからざる性質」を指す言葉です。この毒性は放射性物質同位体ごとに異なります
化学毒性は「その元素がもつ化学物質が人体に対して好ましからざる反応を起こす」と言う事です。ちなみにウラン元素の様々な同位体は、化学毒性については全部同じです。この点も凄く重要なので忘れないで下さい。