さて・・・・良いのでしょうかね?

横田さんの物とされていた骨が、やはりというか偽物と言う事が判明しました。
さて、遺族会を初めとして与党内部でも経済制裁を発動すべきだという声が高まっていますね。
勿論国民の多くもこの考えに賛同している事でしょう。かく言う私もさっさとやってしまうべきだと思います。


しかし、本当にやるか?と聞かれたら難しい問題としか言いようがないですよ。


日本は第一義として何を求めるか?と言う問題がありますからね。
第一義を「北朝鮮に対する報復」とするなら話は簡単です。
明日からでも北朝鮮経済制裁でも何でもすればいいでしょう。被害者の安否に関して最後のあがき的に情報を提供してきたり、返還してくるかもしれません。

しかし第一義を「被害者の無事な奪還」としている以上経済制裁はかなり慎重に行なわなければなりません。
何故なら制裁をすれば確実に北は交渉の窓口を閉ざしてきます。
ならば力尽くで取り戻す!と言う手段を日本が執れない以上、交渉でしか奪還方法がありません。
しかし北朝鮮は交渉の再開に際して、経済制裁の即時停止と経済食料支援の即時再開を要求してくるでしょう。
それに対して新たなる事実を提供してくるでしょうから、それを呑めば確かに事件は少し進展するかもしれませんが情報を小出しすることで、少しでも多くの援助を求めるという基本戦略に変更がないでしょうからこれまでのいい加減な対応に変化はありません。全部明らかにして帰してしまったら、その先には報復しか無いわけですから変更しようがありません。
それに対して日本はまた援助を引き延ばし、経済制裁を再開する事で対抗するのでしょうが、こうなると北朝鮮も今度の交渉再開は先ず支援を受け取ってからと言う事になるでしょう。


どれぐらい援助渡すかで揉めてから→両国の交渉→また国内で揉めてから→交渉の再開そしてまた、いい加減な情報の小出し・・・・。また経済制裁。また援助の要求、少し渡して再開、いい加減な情報の小出し、経済制裁・・・正しくエンドレスで、結果的に見ると、いい加減な情報に対して物資を払い続けると言う繰り返しです。
じゃあ、今と状況が変わらないじゃん!って話ですよ。
むしろ交渉に時間が掛るだけ、被害者奪還という目的としては悪化していく可能性の方が高くなりませんか?


確かにその間にも北朝鮮は弱っていくかもしれませんが・・・・・


北朝鮮はいい加減な情報を小出しにしながらも少しでも多くの援助を得ようとする以上、人質とも言える被害者の身柄は大切に扱うでしょうが、交渉が途切れた時、北朝鮮政権が崩壊する時被害者の方々の身柄を保証する物は何もなくなってしまいます。

日本政府にとって、経済制裁は最強カードです。
そのカードを今の時点で使ってしまうかどうか?これは弱腰と言われようがなんだろうが慎重に行くしかないのではないでしょうか?