ボーダーライン

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おこさまに教えて貰った話なのですが、エデンの花という作品を書いていた末次由紀さんがスラムダンクなどの作品を盗用していたという話が持ち上がり、一寸した騒ぎになっているようです。

まあ、私も絵を描いて生活している人間の端くれですから、過去に他の人の作品を参考にした事は数え切れない程有ります。と言うか、他人の作品を参考にした事がない漫画家がいれば、見てみたいモンだと言う程当たり前の行為なんですよ。

漫画を書いていれば、様々な物を描かなくてはいけないし、人間のポーズも無限のパターンを描かなくてはいけなくなります。つまり参考資料用として版権フリーの資料も売っていますが、そんな物だけで足りる訳もなく、結果的にテレビ・雑誌・図鑑・パンフレット・ネット等、写真が載っている物なら何でも参考にしないと描けなくなってしまいます。そして他の人が書いた漫画もね・・・・・・・・・

但し!あくまで参考にするだけで、盗作・盗用をしてはいけません!!

そこで問題になってくるのが参考と、盗作のボーダーラインなんでしょうね。
何処までを盗作と言い、何処までが参考とするのか・・・・これは作家さん自身の倫理観だけなんですよね・・・・・・・
例えば雑誌を模写するのでも、あまりにもそっくりに描けば盗用になりますが、ある程度変更するとか、時間を撮影されたのが昼なら、夜にするとか姑息な方法もギリギリセーフだったりします・・・・・・駄目か?(笑)
勿論トレース(光る机に写真をおいて、その上に原稿を重ねて透ける写真をそのままナゾル事)は駄目な場合が多いですね。でもトレースしても、例えば実際の街の風景は1点透視や2点透視、3点透視というような単純な形で存在する訳じゃなく「無限パース」である事が多いんですよね、そうした時にその雰囲気を参考にする為に、無限パースの雰囲気や、大まかな建物の形だけを写し取り、他の建物を描くという方法はよく取られます。
これは制作時間を大幅に短縮出来るので、やっている作家さんは多いのじゃないかな?


それでも、原稿完成が締め切りに間に合わない所まで追いつめられると、更にこの倫理はあやふやな事になるのもよくある話ではあるんですけどね・・・・それでも思い止まっていますけどね(一応 笑)
しかし末次由紀さんの場合は私達業界の人間が見ても「これはアカンは・・・」という物ですので、出版社さんの対応も当然でしょう。
訴えられる事はないでしょうが、業界からはしばらく干されるかもね・・・・・自業自得ですが。
作品を見る限り、画力の無い人でもないようので、何とかカンバックする事をお祈りしますよ・・・・。


勿論こんな話は読者の方々には関係のない話で「プロならちゃんと描けや!!」という話なのですが、写真家や、映画・ドラマの場合はどんな背景でも撮影するだけで(それなりの苦労はあるのは分っていますです! はい)著作権を主張出来ますが、全部手で描く漫画はそれなりに大変なんですよ・・・・
ですから、こういう事件があっても暖かい目で見守ってあげて下さいね(笑)