続き

庭か信者は、幾ら洗脳されても施設を出て一般の生活の中に返れば、洗脳の効果は薄れていって仕舞います。
これを強固な物とする方法は如何なる物か?その答えは「和」にあります。
現在は人と人との関係が希薄になっていると言われますが、新興宗教の中ではもの凄く仲間を大切にします(精神的にね)
外の世界では考えられない程、皆が親切で親身になって話を聞いてくれます。


な〜んだそんな事かよ?と言われるかもしれませんが、これが信じられない程効果があるんですよ。
まあ、宗教を掲げているのだから当然と言えば当然なのですが、その施設の中では本当に和やかな雰囲気に満ちあふれるように心がけられています。
そして、平信者?よりも少し古株の信者で、そうした話を上手に聞く人、幹部の信者などがどんな愚痴も親身になって聞いてくれるし、時には優しくさとし、時には励ましてくれる訳です。
新興宗教に填る人は、孤独感を感じている人が多いという事は、先にも説明しましたが、こうした人以外の、孤独を感じていない人でも、こうして無条件に話を聞いてくれると言うのは嬉しい物です。
そして信者達はドンドン教団に依存していく訳なんですね。そうして在家信者達は、段々自分から施設に通うようになっていきます。
そして繰り返し繰り返し、講話などを聞くことになるわけですが、その話は毎回毎回他の宗教や世の中が間違っている事を織り交ぜて話をします。こうした話を繰り返し聞く事で洗脳効果は強化され、信者同士で世間話的に話し合う事や、本格的に議論する事でより強固な物となり、仲間意識「和」も強化されていく事になります。

こうした心の隙間を突く事で、ドンドン深みに填めていく訳なんですね。

しかし在家信者をやっている間は、施設にいる時間が少ないので、より長い時間洗脳状態を維持する為に少しずつ出家するように進めていく訳です。
しかし出家をしてしまう人々は、取り返しの付かない一線を越えてしまうのですけどね。


出家とは皆さんもご存じの通り俗世を捨て去り、修行の道に入るという事ですから、先ず俗世で持っていた財産を寄進するように強制されます。まあ、自ら差し出す人も多いのですけどね。
万が一渋る場合は「出家の覚悟が出来ていない」「教団を疑うのか?」「財産を少しでも多く寄進する事であなたの俗世での汚れが浄化されるのですよ」と迫ります。洗脳されている人には効果的な文句ですが、これでも渋る人は教祖直々に説得される事も多いようです。
これでは断れませんからね。

この寄進には2つの目的があります。一つは金儲け。もう一つは財産を全て奪う事で信者の逃げ道を奪う目的です。
こうして全財産を寄進してしまったら、もし教団を逃げ出したくなっても何も残ってませんからね。
家族全員で出家するなら、大きな問題にもなりにくいですが、個人で入る場合など、家の財産を少しでも多く寄進させるように仕向けますから、この時点で家族と教団の揉め事が起こる事が多いようですね。

こうして自ら退路を断ち切って入信した信者に待っている物は、恐ろしく質素な生活です。
元々修行なのですから、当然の事と言えますが、必要最低限かそれ以下の待遇が待っています。
しかし、苦しい、ひもじい等は欲望ですから、口にしても相手にされません。我慢するしかない訳です。

しかし、規則正しい生活習慣と、労働、質素な食事を続ける事は悪い事ばかりじゃありません。
断食スクールなどで持病が改善するという話などを聞く事がありますが、元々人間の体はある程度虐めてやった方が調子が良くなる物なのです。科学的に完全な解明はされていませんが、実例は世界中で報告されています。
上手くコントロール出来れば、満ち足りていた現代社会の中で眠る、元々の生命力が目覚め、体調はドンドン良くなり、不眠、アレルギー、消化器系の不調、偏頭痛等の慢性的な持病が無くなる場合すら有ります。

ですから苦しい生活ながらも、まるで奇跡のように体の調子が良くなる人もおり、修行の成果だ、教団の教えが素晴らしいからだと洗脳効果を助長させる結果となります。

勿論このやり方は、諸刃の剣であり完全に管理された中で行わないと、あっという間に体調を崩してしまい悪影響にも成りかねないやり方です。
正統な仏教などの修行は長い歴史で培われた伝統的な修行で、その絶妙なバランスが保たれるように出来ているので、体調を崩す人は少ないですし、病人が出れば直ぐに医者に掛かる事が出来ます。
しかし新興宗教では、そうしたノウハウが不完全な物が多いのと、金儲けの為に質素な生活をさせる訳ですから衛生的にも問題のある環境で苦しい生活をさせるような事も多く、体調を崩す人も大勢出てきてしまいます。
こうした人々は、修行が足りないからだ!の一言で片付けられる事が多く、適切な治療も受けられない事もあるようです。勿論こんな生活を続けていれば、最悪死者を出す場合もあります。

実際、こうした修行を続けた結果死亡してしまった人々も、多くが病死という形で処理されている事も多いと言われていますね。
オウム事件以降、こうした施設での死者をある程度疑って掛かる風潮が出来たおかげで、事件が表面化するようになりました。今回の糖尿病の少女や、某芸能人の施設で子供が死んだ時なども事件として調査されるようになった訳です。


まだまだ手ぬるいですが・・・・


まあ、死なないまでもこうした修行に耐えかねて逃げ出す信者が出てくるのも、こうした境遇にある人が多いようです。
しかし、信者の多くは本気で教団の教えを信じており、変な仲間意識はもの凄く強いですから、こうした逃亡者の姿は背教者にしか写りません。
そして、逃げ出した物に対するリンチが始まる訳です。