お話にならない

お客の安全よりも売り上げを重視した結果、大惨事を生み出したJR西日本の姿勢が大きな問題として取り上げられたのも、ついこの間の事ですが、この事はまだ企業として利益追求は切っても切り離せない所でもあるので、ある意味、起こってはいけないが起こりえる話でもありました。

しかし・・・・・。
http://news.goo.ne.jp/news/sankei/shakai/20050514/m20050514020.html
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050514i305.htm
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050514i113.htm
岐阜で起こった、今回の拳銃強奪事件。

全くもってお話にならない!!そう思いませんか?


たった5発しか入らないリボルバー式の拳銃だと言っても、一撃で人を殺せる凶器を持ち歩いているという自覚が足りないとしか言いようがないですね。

犯人2人対、警官2人。

犯人はこれと言った凶器無し。警官は拳銃・特殊警棒、この二人がどうだったかは分からないが、防刃ベストに催涙スプレーまで装備している可能性まで有あったのに、これでボロ負けしたあげくに、拳銃強奪されると言う体たらく・・・・。

不意打ちだろうが何だろうが、此処まで来ると正直言い訳も空しいだけだろう・・・事件は盗難届が出されたトラックを捜索中、それを発見し追跡した所、トラックが溝に脱輪、逃げ出した犯人を警官の一人が捕らえ、もう一人がパトカーに戻って無線連絡をしていた所、どこからともなく現れた軽自動車に乗った犯人の仲間が不意に捕縛中の警官を襲い、拳銃を強奪、もう一人の犯人を連れて逃走したというのだが・・・・・。

この事件、明らかにおかしくないだろうか?本当にこの通りなのだろうか?

通常、盗難トラックを発見し、犯人が逃走を始めた所で警官は本部に無線連絡を入れ、路肩で脱輪した時点でもトラックの前後にパトカーを停車させ、本部に連絡を入れ、逃げ出した犯人の追跡に向かったと考えられる。つまり状況は本部に伝わり、応援の警官も向かっていたはずだ。


まあ、此処までは何の問題もない。
しかし、トラックからどれぐらい離れた場所で犯人を捕まえたか不明だが、此処で警官二人は謎の行動を取り始める。
犯人が一時的に逃げられないように組み敷いたにも関わらず、手錠を掛けたかどうかが疑わしいのだ。何故ならこの後に犯人の仲間が襲いかかった時に不意を突かれた警官は捕まえていた犯人を逃がしてしまい、2人掛かりで襲われた為威嚇射撃を2発行っているからだ。犯人が暴れた為、手錠を掛けるのに手間取ったのだと思われるが、此処で問題になるのが、もう一人の警官だ。
もう一人の警官は、パトカーに戻り無線連絡していたと言う話になっているのだが、犯人確保に手間取っているのなら何故そんな同僚を放っておいて、パトカーに戻ったのか?こんな事態で何を本部に連絡しに言ったのか?先にも書いたが、応援の要請、犯人の車が脱輪した事は連絡済みのはずだ。
犯人が激しく抵抗している時にそのフォローに入るのは当然の行為だし、世界中の警官がそうしている。犯人が確保されても居ないのに、逮捕完了の連絡にでも行ったというのか?


仮に「もう一人でも大丈夫だから」と同僚が言ったのだとしても、手錠一つ掛けられない状況で何が大丈夫なのか?と不思議に思える。犯人がおとなしくなったのなら直ぐに手錠を掛けるだろうし、最近何に対しての配慮か分からないが、逃げ出す恐れがなく、素直に連行される場合手錠を掛けない場合も有るようだが、それなら犯人と一緒に警官二人が揃ってパトカーに戻るはずだ。つまり、犯人は警官の指示に素直に従うような状態になかった事が容易に想像が付く。

まさか、確保に手間取りそうだから応援を呼びに言ったとか?だったら余計に話にならないが・・・。

しかも、その後2発も銃声がしているにも関わらず、応援に駆けつけられなかったという事は、そんなにパトカーと犯人を捕まえた場所は離れていたという事なのか?だとしたら、なおのこと犯人がしっかり確保されるまでその場を離れるべきではないだろう。犯人逮捕の瞬間は、警察業務の中でも一番危険な瞬間だという話もあるが、そんな状態の同僚を放置してまで何を連絡しに言ったのか?この点はハッキリして頂きたい物だ。それとも、パトカーの中で震え上がっていたのか?と言いたくなる。


世が世なら士道不覚悟で切腹物の事件だ。


しかも、事件発生後の警察署&署長の動きが益々情けない!隠蔽体質とまでは言わないけど、事件が起こってから同市に連絡があったのが1時間30分後。
それも、マスコミから事実確認を受けた市役所の方から、警察署に連絡して初めてFAXが一枚送られてきただけ・・・・しかも、その内容に犯人の特徴などが書かれていなかったおかげで、市役所が市民に警告の放送を流せたのは2時間後になってしまった。その放送内容も事件の概要と、危険だからあまり出歩かないようにと戸締まりを促す警告しか出せなかった。

犯人は軽自動車で逃走しているが2時間有れば安全運転の平均40キロでも80キロは遠くに逃走できてしまう事になる。

確かにそこら中のスピーカーで犯人の特徴が流されたら、犯人は変装してしまう可能性もあり検挙が難しくなるのはよく分かる。しかし犯人は外国人、しかも南米系と言う事でかなり特徴的だ。多少服を変えてもかなり目立つ存在である事は間違いない。このような犯人の目撃情報を2時間もわざと得ようとしなかった警察の捜査方法は正しいのだろうか?
それに、警察の重要な使命の中には犯人検挙と同じく、二次被害を防ぐというのも重大な使命であるはずだ。市民は誰が拳銃を持っているか分からない状態で只怯えるだけでは、適切な防御も出来ない。
発砲しない警官という姿勢は素晴らしい事のように思えるが、その結果何をやっても撃たれないと頭から犯人にナメられているの状況で、市民の安全を守れるのだろうか?
同僚が襲われ、拳銃を奪われている最中、助ける事も発砲する事も出来ない、こんな基礎的な逮捕術も出来ないような警察官の訓練に、多額の税金が使われているのは良い事なのか?根本的に訓練方法を見直す必要性があるのではないだろうか?

広域検問の手配は出来ても、市役所に連絡する事を忘れるような署長に存在する意味はあるのか?
責任問題回避しか頭になかったと思われても仕方がない行動しか取れない警察署長。

最近検挙率が落ちているのは、人員不足だとよく言われているが、警察官の質の低下もかなり大きな要因になっているのではないでしょうか?書類仕事ばかりドンドン複雑になり、それに手間取り、現場の人員が不足、しかも質が低下しているのでは目も当てられません。

交番はそこら中で無人化し、そのくせ一時停止違反を交通量がさほど多くもない裏道で交番勤務の警官が何時間も隠れて取り締まる。本当に今の警察はこれで良いのでしょうか?
そんな事を考えさせられる事件でした。