根比べ終わりましたね。

決りましたね〜新法王さん。ドイツ出身のヨーゼフ・ラツィンガー枢機卿(78歳)になったそうで、まずはおめでとうさんです。

しかし、皆さんも初めて聞いた人は笑ったでしょう?「コン・クラーベ」って選挙の名前。

バチカンの法王が亡くなって、新しい法王を決める選挙に名前が「コン・クラーベ」 この名前からして大変そうだな〜と思うけど、ちょっと調べるとこれが本当に大変な選挙だった。
まず準備からして大変で、前法王が亡くなった後、20以内に行わなくちゃあいけないんだけど、15日間は喪に服すから残り5日間で準備しなくちゃいけない。
それに今はニュースで一気に地球の裏側まで速報が届くけど、昔は手紙だったわけで・・・・20日間以内に手紙を受け取ってからバチカンまでやってこなくちゃいけない訳だ。
移動手段が馬車や、帆船の時代なんか、本当に大変だったんだろうな〜っと思いますよ。なんせ間に合わなかったら、どんな偉い人でも参加出来なくなってしまいますからね〜・・・・。

しかし、集まってからがさらに大変で・・・・・・良くある選挙と違って、先ず立候補者が居ない。もちろん推薦する人も居ない・・・じゃあ誰を選ぶのか?
原則的には、カトリックの洗礼を受けた男子なら誰でも法王に選ばれることができるんだな。もし聖職者でない世俗の人物が選ばれた場合は、司教に叙階される必要があるそうだ。
まあ、あらかじめ根回しはしてるんだろうけどさ・・・対象者が多すぎ(笑

選挙を行うのは、世界中の80歳未満の枢機卿で彼等はまず、体の不自由な枢機卿たちから投票用紙を集める係3人と、集計係3人、立会人3人を選ぶ。
次に、投票用紙が配られる。これは長方形の白い紙で、上半分にラテン語で「至高の法王としてこの人を選ぶ」と書かれていなくてはならない。枢機卿120人は、推薦する人物の名前を下に書き、紙を2つ折りにする。
全員の記入が終わると、枢機卿たちは年長順に祭壇に向かい、自分の責務を真摯に果たすことを誓う。その後、枢機卿は用紙を貴金属製の小さなディスクに乗せて、ミサに使われる大杯の中に入れるんだそうな。

開票のたびに、一度使われた用紙は燃やされる。新法王が決まらなければ、薬品を加えて煙が黒くなるようにする。システィナ礼拝堂上の煙突から黒い煙が立ち上れば、サンピエトロ広場で新法王選出を待つ人々は「まだだ」と分かることになる。新法王が決まると、投票用紙は薬品なしで燃やされる。このため白い煙が、新法王が決まった印となる。
コンクラーベ開始から3日たっても新法王が決まらないと、投票は一時中断される。最大1日を祈りや話し合い、最上位の枢機卿からの訓戒などに費やした後、投票が再開。7回かけても決まらなければ、再び祈りと話し合いと訓戒が繰り返される。そしてまた、最大7回の再投票が続く。

しかも投票の結果、一番票を獲得したらいいという物じゃなく、参加者の三分の二以上の獲得をしなくちゃいけないと言う厳しい物。当然直ぐに結果が出るわけもなく、決まるまで何日でも続けると言うから正しく「コン・クラーベ」の名に相応しい選挙だと言えるよな。

そもそも何でこの名前になったか?その由来はCUM(と共に)+CLAVIS(鍵)=鍵と共に 鍵のかかった部屋に閉じ込めて決めさせる為にこの名前がついた。

じゃあ何で閉じこめるのか?その原因は1268年にクレメンス4世の後継者選びの時 この選挙でイタリア人支持派とフランス人支持派2派が対立してしまい、どちらも3分の2の票を獲得することができず、ズルズルと二年九ヶ月も続けたと言うから、この話自体も笑える話だよな。
しかし困り果てたビテルボの町の人々はその原因を考え「選挙期間中、枢機卿達が自由に出歩き、外部の人々と接触しているから なかなか決らないに違いないと考えたわけだ。

そこで町の人々は、選挙会場である司教館に枢機卿たちを閉じこめ、 食料もパンと水だけを差し入れ、その量も次第に減らしていくことにしたんだそうだ・・・殆ど罰ゲームだよな(爆笑
小学生じゃないんだからさ・・・と言いたくなる。
しかしこんな大変な選挙である「コン・クラーベ」が遠く東の果てにある島国で「根比べ」として笑い物になっているとは夢にも思わないんだろうな・・・。まあ、何はともかく新法王さんも頑張って下さいませませ。

参考資料 CNN