国の正義その2

知能が発達した事で文字が発明され、この文字を媒介して更に知能を発達させ法律という自然界には存在しないユニークな統一価値観を誕生させた事で、人間は強力な社会機構を形成する事が可能となり、より大集団を成形出来るようになって現在に至っている訳だ。
そう言う意味ではこの国の正義である法律は非常に優秀な手段、道具として機能している訳なんだけど、これが完璧じゃないのは言うまでもない。
大体からして生命体として不完全な発展途上にある人間が生きる上で便宜上使っているに過ぎない法律がいきなり変化しようがない完成型にたどり着く訳がないやね。まあ、仮に完成型が生まれたとしても、そんな物に人間が従えるとも思えないしね。
だから法律とは不変の存在か?と聞かれたら違うと答える人が多いと思う。確かにその通りで幾らでも変わる物だし、変えることも可能だ。しかし普段の生活の中では不変の存在として認識しておかなくてはいけない存在でもある。いけないという言い方が悪ければ、取りあえずそう言う事だからという事で理解した上で行動しないとやっていけない存在と言っても良いかもしれない。

では、社会正義と法律が食い違いを見せるのは何故か?

まあ、言うまでもなくここまでの説明でも書いたように法律という物はそもそも少数の権力者が多くの人々を効率よく統治する為に誕生した物で、それ以上でもそれ以下でもない。
したがって「効率の良い統治=社会正義に迎合する」と言う公式など無く、全く別個の存在と認識すべき存在だと言うことが分かると思う。
しかし勘違いして貰っては困るのだけど、私が言いたいのは権力者が自分の都合の良いように作ったから社会正義とそぐわないと言いたい訳じゃないと言う事。


ここが凄く重要なんで、くれぐれも勘違いしないで下さいね。


確かにそう言う側面が無いとは言わない。実際独裁政権などではそう言う色が濃いのは間違いのない事実なんだけどそれが全てじゃないし、そう判断するのは危険な考えだからくれぐれも短絡的に判断する事の無い様にお願いしますね。何故なら「効率の良い統治=社会正義に迎合する」という公式は存在しないけど「効率の良い統治=社会正義を無視する」という公式も存在し得ないという事。
本当に社会正義を無視した法律だとしたら、そんな物は誰も従う訳がないでしょ?確かに強大な武力で国民を押さえ込む事は可能かもしれないけど、そもそもその武力を構成する軍人も国民の一人だしね。
こう書くと必ず「軍人は優遇されてるから国の味方をする」という人が出てくる。確かにそう言う側面も存在するけど、世の中そうそう簡単ではないのですよ。
軍人が軍人である為には多くの人の力が必要だという事です。つまり軍人も日々の生活を送るなら、飯を食わなくちゃいけないし、軍服も着なきゃならない、つまり多くの国民と同じく「衣・食・住」は必要な訳で、それらの多くは軍人以外人達の力が必要だという事。
武器弾薬もどこから沸いて出てくる訳でもないしね。それらの供給者である商人無しに軍隊は存在し得ないという事。そして商人も多くの生産者無しにその売り上げを上げる事が出来ない。

過去の歴史を振り返ってみても、強大な軍事力を誇る国の国民はやはりそれなりに裕福な生活(比較的にの話ね)を送っているし、国民が本当に貧乏な国は軍事力もたかがしれている。そもそも政府という物は国民から集めた税を糧に生存している寄生虫的存在とも言える訳で、集まる税が減れば国が弱るのは自然な流れだ。
しかし軍事力で国民を押さえつけてる国は存在するし、貧富の差が激しい国も存在するじゃないか!と言う人も居るが、確かに独裁制を未だに取っている国や、歴史を見ても封建制度が当たり前に時代にはよく見られた。
でも、それは単に低所得層に対する富の還元率が低いだけで、低所得層の多くもそれで納得しているから、その国は続いていたか、続いている訳で、そのバランスが崩れた時その国は崩壊して来たし、これからも例外なく崩壊するだろう。
しかし、もの凄く皮肉な話なんだけど、仮に低所得層に富の還元率が高くしたとしますやね。
と言う事は当然権力者や、有力者の富は少なくなる訳だけど、こうなると社会を運営していく力も低下してしまうんだな。つまり国が弱る事になり、最終的には低所得者層は更に貧困になってしまう。
まあ、何処まで行っても権力者、有力者という物には富が集まるし、だからこそそう言う能力に長けた者が集まるのだし、結果的に国を強くしている要因にもなっている訳だから無理に崩壊させる様な物でもないのだろうと思う。
しかしバランスは保とうとする必要性は十分にあり、その努力は惜しむべきじゃない。
それがその社会を長く続かせる最大のコツとも言える。安定した社会は生命を存続させるという生命体の最大の目標とも合致する訳だから非常に重要な課題だ。
しかしそれが分かっていても人間は個人正義から、少しでも楽に安全に生きる為に富の収集しようとするし、その為に社会正義を都合の良いように誘導する事も多々見られるが、結果的にそれで国民が納得している間はそれがどんな卑劣な物であっても何の問題もない訳だ。

ーその3に続くー

□台風が凄いですね。
今年は本当に台風が多いね。まあ、環境問題をどうにかしない事にはこれはこれからも続いていく現象の一つなんだろうけど、因果関係がはっきりしないから、なかなか解決の難しい問題だよね。
東京も今夕方から夜半に掛けて雨と風が酷くなるとの事。気を付けなければ・・・・。

現在夜中の2時、警戒せねば、と思ってる時に限って大した事がない(笑
酷い所は酷かったみたいだけど、雨も風も現在小康状態。雨量以外は大したこともなかったようです。私の住んでるあたりは・・・の話ですけど。
皆さんの所はどうだったのでしょう?