テロに関する考察その2

ところがだ・・・・人間という物は困った事に、有る程度そんな状態が続くとそれに慣れてしまうんだな・・・・。
しかも慣れてくるんだけど、フラストレーションだけは溜まっていく事になってしまう。その結果通常では考えられない様な過激な政策も支持する様になってきちゃうんだな。
つまり、テロが恐怖の対象ではなくなり「うざったい物」になって来ちゃうのだよ。「もーゴチャゴチャ五月蠅いから、消してしまえ!」てなもんだ。
わかりやすい例で言うならイスラエル
ここなんかだと、市街地でテロをやられたら、ガザの少しでも怪しいと「思われる」所に民間人を巻き込む事も関係なく報復攻撃に出てしまう。
その結果、関係ないガザ地区の人も巻き沿いになり、その遺族などが新たなテロリストになってしまう事は、イスラエル政府も国民も良く分かっている事で、正に泥沼だという事は分かっていても、その政策を多くの人が支持しちゃってるんだよ・・・・これが。
イスラエル市民も本当なら平和な生活が送りたい。しかしこの繰り返し起こるテロから来るフラストレーションがその判断を鈍らせるわけだ。
後、テロ被害者の遺族の声は繰り返しメディアで流されるけど、平和を訴える人の声はメディアは繰り返し流さない。これはある程度しょうがない現象だけど、判断を鈍らせるのに拍車を掛ける事になっちゃう。


しかし、これではテロリストは正直困るんだな。


正面からの戦いになってしまったら、元々貧乏だからテロをやってるのに、正面戦争になってしまう。そこで、より派手なテロを行わなくてはいけなくなる訳だ。
より過激に、より大規模に・・・とにかくテロは民衆にとって「姿の見えない恐怖」であり続けなくてはいけないわけだからそう言う方向性に走るしかなくなる。
しかし繰り返すが、彼等は「貧乏」な存在。
そこで貧乏なテロ組織でも、「世界中のテロ組織が協力すれば、そこそこの力が持てる」と言う考えが生まれ、そんの結果テロネットワークという物が誕生した訳だ。所が、このネットワークにはそれ以外にも多くのメリットがあったんだな。


○人員問題の解消。(それまで軍人などが居ない様なテログループも、元軍人などのインストラクターを持っているテロ組織と協力関係になる事で、教育を受ける事が出来る様になり、質の向上を図る事が出来る様になった)
○テロ幹部の安全確保。(それまで国内だけで活動して、逃げ回っていたテロ組織幹部が国外に拠点を持ち、そこから安全に指示だけ出せる様になった)
○情報の交換。(それまでに行ってきたそれぞれのテロの実績を持ち寄る事で、より効果的なテロの研究や、国の取り締まりに対する対策方法等も知る事が出来る)
○人員の援助(幹部以外にも、手配などされて自国に居られなくなったテロリストを海外に逃がし、逃亡先で人員を必要としている組織に協力する等)


日本の赤軍なども東南アジアに潜伏して、中東に渡りそこで訓練を受けてミュンヘンオリンピックの選手村襲撃にも協力などしてたりする様に、本来自分たちの国を何とか変えたいという人達が、全然関係ないテロ事件に関与する様になっていったわけだ。

その3に続く