テロに関する考察その1

前回ロシア政府の対応の悪さについて書いたんだけど、今回から数日掛けてテロという物を根本的に考えようと思うんだ。
前にこのサイトでも書いてたけど、私はテロ容認派な人なんですよ。と言っても今回の事件のような人質立て籠もり事件や、無差別爆破のようなテロではなく、旧IRAが行っていた様な経済、産業テロの方なんだけどね。
これは例えて言うなら、パイプラインの爆破や、線路の爆破、港に停泊している輸送船の爆破、要人の暗殺と言ったサボタージュ活動の延長にあるテロ活動。本来、テロ活動というのはこういう物がメインだったのよ。
元々のテロが何故そう言う方法を取っていたか、それが現在の様なテロ活動になっていってしまったか、その辺を理解して貰うのと、もう一度私自身も整頓するために、大雑把だけど、テロという物の本質と歴史を振り返っていこうと思う。
そもそも「テロ」何なのか?
語源を調べると、テロリズム本来の意味はフランス大革命末期の時代まで遡る事になる。
この時代フランスで行われたロベスピエールの恐怖政治の事で、「The Terror」と呼ばれていた。権力側が、利害の対立する者を抹殺した場合が古来はテロと呼ばれてきたのだそうだ。それによる影響(恐慌や追従)も含めてテロと呼ばれた場合もある様だけど・・・。
それがいつの間にやらテロは反体制側の暴力的手段を指すように変化していき、この語源となった訳だ。
これはま〜、テロに対する非難が高まってきたから「本当のテロというのはこんなもんじゃねー!!」なんて言って武装抵抗をテロと呼ぶようにしていった為なんだろうと言われている。
まあ、いい加減な話だやね。(テロリストという物は「革命家」「レジスタンス」なんかもすべて含んでしまうと言う事。一方政府など権力者が一般市民に対して虐殺を行うのは「白テロ」って言うそうな・・・なにが白だか・・・・ケッ!)
まあ、こんな流れで、反体制派の武力組織が「テロリスト」と呼ばれるようになった訳だけど、要人暗殺や、侵攻軍に対する攻撃なんかは別として、基本的に一般市民を大量に巻き込む様なテロという物は少なかった。
それには色々と理由があるんだけど、その最大の理由は「貧乏」だから。
そもそも裕福な暮らしが出来ると言う事は、現政府の厚い庇護を受けていると言う事と=の関係にあるわけで、現行政府に不満など無いのが普通なわけで、日本人が政府に不満山積でもテロ活動に走らないのは、なんだかんだ言っても裕福(そこそこの暮らし)な暮らしが出来ていると言う事さね。
話がそれたけど、そんな貧乏な彼等が寄り集まった所で現行政府などの権力者に正面から抵抗しても勝てる訳がない。じゃあ、プラカードを持って街頭で運動しても弾圧されるだけだ、じゃあどうするか?
コソコソと政府の嫌がる事をするしか無くなるわけだ。
しかし初期のテロリスト達は、一般市民に被害が出る事を望まなかったんだな。
それはそうだろう、彼等はテロリストになったと言っても、昨日までは普通の暮らしをしていたパンピー。訓練を受けた軍人でも虐殺をするのは躊躇する物なのに、昨日までパンピーだった彼等がそんな事を平気で出来る訳がないさね。
でも、何かしない事には現状を打破出来ない、と言う事で社会に影響があって、人的被害が出来るだけ出ない方法として行ったのが経済テロと言う事だ。
じゃあ、何でこのような活動をしていたテロリストが、今の様な無差別テロに走ったか?


○思ったよりも打撃力(社会に対する)がなかった。
○要所要所の警備が固められてしまった。
○国がそれらの事件を隠蔽してしまった。
○よってアピール性が乏しくなってしまった。


この最後のアピール性が乏しいというのはテロには致命的な事で、嫌がらせが何故、どうして起こるのか?これを政府の庇護下にあり、裕福な暮らしをしている人々に伝えると言う事が有る意味最も重要な事だからだ。
政府は、いくら彼等が不満に思っている事を理解したとしても、現状それを理由に方針転換をしてくれるなら、最初からそんな政策は取らない訳で、その政権を支えている人々にメッセージを伝えて、同情させ、方針転換を政府に要求させるしかないからだ。
そこで、よりアピール性の強い活動は何か無いか?と考えた時に、生まれてきたのが市街地でも無差別爆破。しかもこの方法のメリットは想像以上に多いんだよ。


○要所要所を警備しようにも、人の適度に集まる様な場所は年には無数に存在していて守りきれない。
○施設を破壊するより少量の火薬で済む。
○どこに仕掛ければいいかなどの専門的な知識もあまりいらない。(もちろん、爆発の効果を最大限に利用してより多くの被害を出そうとすれば、それなりの知識が必要になるけど)
○市街地だけに、爆弾を仕掛けた後、市民の振りをして逃げやすい。
○市民自体に「次は自分が標的となるかもしれない」と言うプレッシャーを与える事が出来る。
○市民達は、テロリストをどうにかしようと思っても、テロリストは正体不明なので対処出来ない。
○その結果不満の矛先は政府に向く事になる。
○犯行声明だけ発表すれば、テロリストが何を求めているかが否応なしに市民の知る所となるし、自分たち
の事なので、それに対する関心も高くなる。


と言う事で、世界中のテロがこの方法を取り始めてしまった訳なんだな。
確かに、好む差別テロという物はそれなりに効果を上げた。それまで遠い向こうの世界にしかなかった、地方の苦しみ、戦場での苦しみという物を関心の無かった裕福な人々に伝える事が出来た。連日の様にニュースでその被害が伝えられ、何故そのような被害に我々が遭遇しなくてはいけないのかと、人々が考える様になった。
まさしくテロリスト達が狙った効果がでた訳だね。これで世界を変えられる!!とテロリスト達は思った訳だ。


ところがだ、事はそう簡単にはいかないんだな・・・・・・


その2に続く